俳句結社「蛮の会」の理念
主宰 鹿又英一
俳句は日本人の「歴史観」「死生観」「自然観」の凝縮した文芸です。そして、世界にただ一つの「座の文芸」です。我々は、この誇るべき日本の文化を守り、発展させ、後世に伝えなければならないと考えます。その上に立って、蛮の会は次のようなモットーを掲げて活動をし、《蛮勇》をふるって、新しく、そして正しい俳句にチャレンジいたします。
一 蛮は、集うものそれぞれの個性、多様性を尊重する
それは、自分の作りたい俳句を作り、自由闊達に批評しあうことです。
二 蛮は、集う者それぞれの同時代的態度を尊重する
それは、現代を詠むが、温故知新、不易流行を忘れないことです。
三 蛮は、集う者それぞれの濁りなき感性を尊重する
その感性とは、たゆみない研鑽の裏打ちがなければならないということです。
四 蛮は、集う者それぞれの淀みなき発想を尊重する
その発想とは、たゆみない研鑽の裏打ちがなければならないということです。
五 蛮は、集う者それぞれの楽しい空間を尊重する
句座はもちろん、ビフォアー&アフターも含めて楽しくなければ俳句じゃない、ということを忘れずに活動いたします。
●略歴
1950年(昭和25年) 神奈川県横浜市神奈川区生まれ
1985年(昭和60年) 句作を始める
1991年(平成3年) 安田瀋陽主宰「草の花」入会
1995年(平成7年) 「草の花」退会
1995年(平成7年) 牧石剛明「顔」入会
1996年(平成8年) 現代俳句協会会員
1997年(平成9年) 現代俳句協会新人賞佳作
1998年(平成10年) 現代俳句協会青年部委員
2002年(平成14年) 超結社句会「熱刀句乱舞」立上げ、同代表
2003年(平成15年)筑紫磐井代表「豈」同人
2007年(平成19年) 「蛮の会」設立、結社誌「蛮」創刊
2010年(平成22年) 全国俳誌協会賞、編集特別賞受賞
2011年(平成23年) 「顔」退会
2017年(平成29年)HAIKU日本顧問
2024年(令和6年)4月 俳人協会会員
現在、「蛮の会」主宰、神奈川県現代俳句協会参与、全国俳誌協会幹事、横浜俳話会幹事、HAIKU日本顧問、俳人協会会員
剣道教士七段
●句集・著書
句集「笑う人」(平成15年、北宋社刊)
「21世紀俳句ガイダンス」(共著)
鹿又英一主宰 作品
(2019年~2020年頃の作品より20句)
打ち下ろす太筆春の匂ひけり
猿曳の猿すねてゐる梅日和
朧夜を残して消ゆるコメディアン
後ろ手の校長のゐる桜かな
若駒の首撫でてゐる女騎手
刃こぼれの月のせてゐる新樹かな
鈴の緒の括られてゐる若葉冷
夕映えの名残を追つてヨットの帆
青蛙ぽとりと落ちて精神科
腰折れの噴水街の昏れゆけり
月光の影ある西瓜盗みけり
稲光みなとみらいが感電す
手を洗ふつくつくぼふしつくぼふし
山小屋の徳用マッチ霧の朝
ここからが旅の始まり吾亦紅
冬すみれ人恋しさの募りけり
水仙の首折れてゐる純喫茶
小手面を置き少年の息白し
凩がよく見えてゐる天守閣
蕎麦打ちの指に親しむ冬の水
「さざなみ」 鹿又英一
「蛮」に連載の「さざなみ」(俳句随想と折々の俳句五句)を転載しています。下記のボタンからお入りください。
俳句誌への掲載作品 (鹿又英一)
俳句総合誌に掲載された最近の主な作品を掲載しています。(2017年12月以降)
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