俳句誌掲載の会員作品
「俳壇」2023年9月号掲載 作品6句
「神恋の旅」 長濱藤樹
風青し高天原の遥拝所
初夏の石に石積む岩戸かな
霧島の神のきざはし走り梅雨
アマテラス生まれし池や蓮の花
青梅や参道長き御子の宮
立磐の太き注連縄夏の空
「俳句四季」2022年9月号掲載 作品5句
「瓊花」 藤田裕哉
三輪山の緑とりどり夏来る
廬舎那仏の指の太さや風薫る
瓊花咲くや鑑真和上の御身代はり
春日社の緑陰に巫女舞ひにけり
女人高野の長き石段杉落葉
(「蛮」64号に安本 純さんによる作品鑑賞を掲載しています。)
「俳壇」2022年5月号掲載 作品7句
「みなとみらい」 佐藤 久
沖へ向くハンマーヘッド鳥雲に
行く春や砂場から出る五円玉
初夏や花に埋もれし大碇
金網の綻びてをり姫女苑
夏潮やアメリカ坂の乳母車
ソーダ水未来すべてがだつた頃
ユッカ咲くみなとみらいの遺構群
(「蛮」62号に神野喜美女さんによる作品鑑賞を掲載しています。)
「俳句四季」2020年7月号掲載
第20回「俳句四季」全国俳句大会
◆優秀賞
亡き人を在るやうに言ふ桜時 (尾澤慧璃)
◆優秀賞
橋を吊る鋼線の束冬来る (佐藤 久)
「俳壇」2020年7月号掲載 作品7句
「文庫結び」 尾澤慧璃
初めての文庫結びや鬼灯市
水底の影ごと掬ふ金魚かな
余所行きの着物の娘ソーダ水
鼻緒擦れの平気装ふ暑さかな
空き缶に乗せる片足百日紅
眼裏に青嶺の余韻旅枕
朝凪や産声響く助産院
(「蛮」55号に佐藤久による作品鑑賞を掲載しています)
「俳句四季」2019年12月号掲載 作品8句
「元町通り」 佐藤 久
洋館の玻璃ひしひしと冬に入る
定位置に皇帝ダリア冬の虹
白樺の白きを残し散りにけり
水鳥の散らばつてゐる山日陰
桟橋の木目を辿る冬の虹
パン提げて帰る元町聖誕祭
道具屋のランプを吊るす年の市
数へ日や日溜りに猿ゐるばかり
(「蛮」54号に尾澤慧璃さんによる作品鑑賞を掲載しています)